日記

お坊さんは正座で痺れない?

おはようございます。副住です。
今日はいい天気となりました。気温も昨日よりも暖かい気がします。
それでも、今日は平年以下の気温とのこと。しかし、昨日と一昨日の寒さと比べれば、暖かいような気がします。
さて、昨日も私が3件のご法事を勤めさせていただきました。
もちろん、正座をしたのですが、やはりマッサージ効果なのでしょう。
立ち上がる時、フラフラせずに、きっちりと立ち上がれました。
因みに、西照寺でのご法事の流れは、ご本堂にて約30分の読経。
引き続き、ご法話(10分程度)。その後、墓前に参って読経(10分程度)です。
全体だと1時間くらいかかるのです。
その内、正座時間は、ご本堂での読経(約30分)。
ですから、昨日は30分が3件と、合計1時間半の正座時間となります。
体重増加に伴い、30分程度の正座でも痺れるようになりました。
学生の頃は1時間は大丈夫だったのに・・・
(因みに、私は経験してませんが、ある法要に参加すると3時間ぶっ通しの正座もあるそうです)
流石に3件目ともなると、20分程度から痺れだし、終わる頃には足先の感覚はありません。
普通の人だと、立てない状態。あれと同じような感覚になります。
普通の人であれば正座を崩し、あぐらをかいたり半立ちのような体制で、痺れに悶絶しながら、ようやく立ち上がりますが、
我々お坊さんは格好悪くて、そんなことは許されません。
私たちお坊さんは、正座の痺れを1~2分程度で一時的にきらす技を持っています。
(これは慣れてくれば、できるようになるものです)
ですから、読経中に痺れて足先の感覚がなくなっていても、読経終了直前の1~2分前に、ある事をして痺れをきらして立つのです。
立てれば、おおよそ歩けます。
希に足の痺れがきれない場合もあります。その時は色々と調整し、立ち上がります。
ただし、立ち上がれても、歩けなさそうな場合もあるのです。究極の状態ですね。
その時は、本当は歩きたくないのですが、お参りに来られている皆様の前で、退堂しないわけにはいきません。
そんな時は経験値がものをいいます。
焦らず転ばないよう配慮しながら、顔は涼しげに、一歩一歩不何事もなかったかのように歩きます。
経験値が浅いお坊さんは、早く退堂せねば!と焦ってしまい、足がもつれて転ぶことになります。
歩き方も不自然極まりない状態です。見ていてもわかる!
経験値の高いお坊さんは、焦るとどうなるか知っています。ですから、そんな姿は見せません。
退堂までの距離を歩き通すプライドのもと、何事もなかったかのように、動作もゆったりと見せながら退堂をするのです。
もちろん、足の感覚は少しでも動かすとジンジンしている状態で、少し擽ったい感覚も混ざっていて、「あ~」と叫びたくなるような状況。
その状況を周りに見せない!
ただし、経験値の深いお坊さんでも、歩けない時は歩けない。
そんな時は正座を崩そうとした瞬間に判ります。ですから、経験値の深いお坊さんその場合は立ち上がらない。
そのような状況を見たことがある人は、お坊さんがよっぽどの状態であることを知ってほしいと思います。
それは笑うものではなく、むしろ尊い姿。不格好さを皆さんの前で見せるわけにはいかないという思いです。
正座を崩さない状態の方が、よっぽど辛いのです。