日記

築地本願寺 カンブリア宮殿

おはようございます。住職です。

今朝は寒かったですね。真冬を思い出しました。

1月末から2月頃のあの寒さ。本当に嫌だなぁ。

さて、そういえば、一昨日カンブリア宮殿で、築地本願寺が

取り上げられていましたね。宗務長がでていました。

私もちょっとだけ見ました。

ご存知の方もおられるでしょうが、築地本願寺は2015年頃から

これまでとは異なる改革に取り組みました。

それが、番組でも取り上げられていた宗務長の就任です。

当時、私は総合研究所(東京支所)に所属しており、改革に向けた会議などに顔を出していました。

私が個人的に興味があったので、参加させてもらっていたのです

過去のブログでも綴ったと思うのですが、今後のお寺の経営は

大変になるだろうと、実は大学生の頃から薄々感じていたのです

でも、対策の仕方も考え方もわからないので、危機感だけ抱きながら、35歳まできたのです。

35歳の時、未来の住職塾という経営を教えてくれる塾に通い、経営に関する知識を得たのです。

それが2012年だったように思います。

以後、その考え方などをじっくりと咀嚼しながら、経験値を増やしてきました。

たまたま縁があり2014年にJC(青年会議所)に入ったのも、その狙いがあったからです。

つまり、自分が学んできたことが、現場で通じるか?を確認する為でした。

そんな最中、2015年に築地本願寺の宗務長が「改革していこう!」となったので、

もちろん、私は興味深々。

それで会議に参加させてもらっていたのです。

ちょうど会議に参加するようになった当初、築地本願寺では

番組でも取り上げられてたカフェが建設中だったような記憶があります。

会議では、カフェで提供する目玉として朝食の話題があがりました。

確か、委託している業者さんと築地本願寺が話し合って、

目玉となる18品目の朝食が提案されたような記憶があります。

18品目は、浄土真宗のご本尊である阿弥陀如来の一番大事な

本願である第18願からとっているのです。会議でそう聞いたので間違いありません。

阿弥陀如来は48願という48個の願いをたてられた仏様なのですが、

その中で私達にとって一番大事な願いこそが第18願なのです。

そこから、18品目がでてきたのです。

(因みに、AKB48は阿弥陀仏の48願からきているそうです)

私はその話を聞いて、誰が朝から18品目も食べるんだ?

しかも2000円という高値で・・・と内心否定的に考えてました。

ただ、会議で意見はしませんでした。

その後、1~2年ほどたって、TVで取り上げられて以降、大変な

人気に・・・限定なので、毎朝カフェには列ができます。今でも。

このような経験をしてみて、自分の考えは当てにならないことを勉強したのです。

結局、やってみなければわからないんです。

やる前から「上手くいかない」と批判するのは簡単です。

「上手くいくために、どう考えていくのか?」ここが大事。

もちろん、正解なんてありません。考えて挑戦して、結果を求めていくのみ。

つまり、やれ!ってことなんです。

私も、2012年以後、色々なことに挑戦しています。

もちろん、身を滅ぼすような大きな挑戦はしません。

そうではなくて、失敗してもダメージがさほど大きくない挑戦です。色々提案したりもします。

でも、お坊さんの会議などで提案すると良く言われるのが

「そんなことやってもダメだ」「無理」「これまで通りじゃないと」などなど。

私はそんな事を言われるのに、もう慣れてしまいました。

慣れてくると、説得しよう!ではなく、諦めモード。

今はそのような場ではあまり提案しないようにしてます。

自坊でやればいい!から。

そんな否定的意見が出る中で、改革を進めようとすれば、宗務長が番組で言っていたように、

周りから批判されるのです。

正直、改革が良くて、現状維持が悪いという訳ではないのです。

現状維持をする中で、お寺がしっかりと経営できていければ問題はないのです。

しかし、今は現状維持ができていない状況となっているのです。

その背景には、昔の人と現代の人の感覚の違い、

価値観のズレがあると私は考えています。

旧来の価値観で生きる方々には通じるお寺ですが、その方々が

徐々に居なくなってくると、もうお寺は不要となります。

これは、自然の摂理です。

だから、今の人々に通じるようなお寺をつくらないといけない。

改革を考えていかないといけない!ということなのです。

昔より、経営的に厳しくなった!と実感しているお寺であれば、

新しいやり方を模索していかないと、近い将来、お寺は経営できなくなって、解散を待つだけとなります。

そのような状況にあることを、お寺の方がもっと意識できればきっと、きっと慌てるはずなのです。

だからこそ、今後に通じるお寺づくりを、危機感を持ったお寺さんが挑戦していくべきだと思います。

その中で、成功例がでれば、励みになります。

私は必ずしも改革が良いとは思っていません。

現状維持ができるなら、その方がいいのです。ハッキリ言って。

挑戦することは苦労の連続だし、上手くいくことの方が少ないんだから。

苦労する道は嫌です。でも現状維持ができないことがわかっているから、

改革をしないといけないわけなんです。

たぶん宗務長も同じように思っているはずです。

因みに、私は2016年から、総合研究所から東京教区教務所に職場が変わりました。

2015年までは、築地本願寺とも関係が深かったのですが、

東京教区教務所は、築地本願寺とちょっとだけ組織上の距離があるのです。

簡単に言えば、築地本願寺は一つのお寺で独立してやっている!

東京教区教務所は、浄土真宗本願寺派に所属している東京教区

(東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬・栃木・茨城・山梨・静岡)

に存在しているお寺(約500)を統括する部所となっています。

つまり、組織が違うのです。

ただ、東京教区教務所は、築地本願寺の中にあるのです。

私はそこに通っているので、「築地に勤務してきます!」と表現したりするのです。

そんな理由から、築地本願寺の取り組みを決めていく会議に、

私は関わることは仕事違いとなる場合もあるのです。

もちろん、築地本願寺と東京教区が連携して行う仕事もあるので、

その場合は、当然私も会議に出ています。

ということで、私は2016年から東京教区教務所に配属されたことで、

2015年では出席できていた会議には参加できなくなってしまったわけです。

個人的には興味があったので、関わっていたかったのですが、やはり仕事が違うので、控えています。

でも、築地本願寺と東京教区教務所の風通しは悪くないのですよ

上手くやっています。

そんなわけで、東京教区教務所の職員は、番組に映ってなかったのです。

私はTVとか興味ない(もう何度かでたことあるから)のですが、

他の職員さんはうつりたかったかもしれませんね。

昨日、出勤したら、最後の場面で写真だけ映ってた!とかで話していたから。