こんばんは 住職です。
またも、夕刻の更新となってしまいました。
さて、昨日の続きです。
最澄や空海は遣唐使として中国に渡り、実際の中国仏教を見てきました。
そこで大事にされていた戒律や修行を知って、それを日本に持ち込んだのです。
だから、お寺を山の中に建てたのです。
この時代から、お寺は僧侶の修行の場としての役割が強くなります。
この影響から、だいたいお寺は「〇〇山〇〇寺」などと呼称されるようになるのです。
例えば、比叡山延暦寺。高野山金剛峰寺。などです。
「〇〇山」というのは、山号(サンゴウ)と言われるものです。
どうして山号があるのか?と言えば、当時からお寺は山の中に建てられていたので、住所の意味で山の名を
お寺の名前の前に付けていたのです。
例えば、当時何かの集まりで僧侶が集った際、「あなたはどこから来たのですか?」などと聞きますね。
その場合、お寺の名前だけ言ったのではわかりません。
どこそこの山にあるお寺です!と山号とお寺の名前を言うことで、通じるわけです。
今で言うならば、全国の人が集う集まりがあった時、同じ班に振り分けられた初対面の人が、自己紹介する
場合、「〇〇県の〇〇市から来ました」と言えば、市の名前まではしらなくても、県を知れば通じますね。
これと同じです。
因みにプチ情報ですが、「〇〇山〇〇寺」と名乗っているお寺が多いのは、そのような歴史があるのです
が、時に知らない山の名前が付いていることが結構多くあります。
そんな山ないだろう!?と思ってしまうのですが、結構多いのです。
そのような場合、山の名前ではなく、住職の苗字が山号になっている時もあるのです。
これはもっと、時代(平安時代よりも)が下ってからの応対として、そのような場合もある!ということで
す。
もし住職の苗字が山号として付いていれば、それはそれで由緒あるお寺です。