おはようございます。住職です。
トンガの海底噴火があったようで、それに関連したのか、津波警報や注意報が発令されています。
朝から大きなニュースですね。気象庁も、気圧の変化による海面上昇による可能性を指摘しており、
非常に珍しい事態のようです。
津波と言えば、私達東日本大震災を経験している者にとっては、一生忘れられない衝撃的な光景を目にして
いることもあって、私は、なぜか当時を思い出してしまうのです。
私は地震があった当時も埼玉県に居ていたので、実際に津波は経験していません。
しかし、大きな地震であった為、その直後からTVを見ていました。
TVにおいて、津波をリアルタイムで見ていたのです。ヘリコプターから撮影されていた映像だったので、
上空から広い範囲を見渡すことができました。すると、津波がドンドン陸地を遡上する映像をみて、画面に
写り込んでいる地上にいる人達が、猛烈な規模の津波が迫っている事態に気づけず、様子見している光景が
映っていたので、「何やってんだ、はやく逃げて!!!」と、咄嗟に心と声の両方から叫びました。
でも、どうにもならない。聞こえるはずもない。
やがて、映像は切り替わって、その方々がどうなったのか、TVでは映されませんでした。
おそらく、察してください!との事なのだろうと、今でも無力感と言葉にできないショックを抱えたままで
す。
TVで上空から見ていた光景は、現地の人たちの目線とは違って当然です。だからこそ、現場の人達は、実際
に自分の目で見える範囲の状況からしか事態がのみ込めません。
そういう意味で、様子見していたのでしょう。
あの時、私はメディアの凄さと同時に、大きな矛盾も感じてしまったのです。
メディアは平時では、非常に優秀な情報媒体です。
しかし、緊急事態が起こった場合、非常に無意味な存在と化してしまいました。
津波が襲ってきた当地においては、実際にその場に居る人の方が、津波の事態がわかっていない。
むしろ、現地に居ない私たちの方が、現場の状況を早く知ることが出来たのです。
つまり、今その情報が届かなきゃいけない人に届かなくて、今知る必要性が薄い人に、情報がリア
ルに届いてしまう!という矛盾です。
これってどうにかならないかな!?と思っていたら、最近はAIとかが叫ばれ始めました。
きっと、AIを使えば、災害などの時、本当に今必要な人に、必要な情報がリアルタイムで届けられる世界が
できてくるんじゃないだろうか!と思っています。
もっとも、情報を受け取る端末問題もあるし、大地震などの場合、情報経由施設が倒壊すれば、不通になっ
てしまう問題もあるから、違った意味の問題がでてくるのでしょうが、AIは希望が持てますね。
今朝のトンガの海底噴火と津波警報を知って、そんな事を思わされました。
それにしても、東日本大震災から10年以上にもなるけれど、私の中ではあの衝撃と心の傷は全然薄れませ
ん。