日記

平家物語

こんにちは 住職です。

今日も素晴らしいお天気です。

今日は「はな祭り」。お釈迦様のお誕生日です。

各地のお寺さんには、生まれたばかりのお釈迦様の伝記に沿った置物が置かれ、

そこに甘茶をかけ、お祝いするのですが、今年はひっそりと行われていることでしょう。

私は最近、時間があるので気のむくままに、色々な調べものをしたり、読書をしたりして過ごしています。

世間の流れと同様に、お寺の法務も減っています。その場その場で、現実を受け止めるしかありません。

これまでの慣れ親しんでいた世界が当たり前!とついつい思ってしまうので、非常時を受け止めきれません

。受け入れたくないし。でも、私達の思いとは裏腹に、真実は諸行無常。移り変わるのです。

残酷ですが、そんなもの。それを受け入れたくない私達がいるだけなのです。

そう考えると、本当に深刻な事態となるかもしれませんが、粛々とその場その場で受け入れながら、前に進

むしか道はないのかもしれません。私も、イタリアやスペイン、ニューヨークの様に、大勢の方が亡くなる

現実なんて見たくありません。私だって死にたくはありません。できれば終息して欲しいです。

しかし、どうしようもないこともあるのでしょう。それが諸行無常ということ。

変化は常に起きるのです。こんな時、ただただ仏教の説く教えが真実であることを思い知ることとなってま

す。

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす。

奢れる人も久しからず ただ春の夜の夢の如し 猛き者も遂にはほろびぬ 偏に風の前の塵に同じ

                                      (『平家物語』)

このような年齢になって、このような境遇に陥って、やっとしみじみと味わうことができるような気がしま

す。それにしても、平家物語の作者って、凄い精神年齢だな。と思わされました。

鎌倉時代に作成された、平家から武士に権力移譲がなされている最中の時ですから、まさに時代の移り変わ

りにこそ、実感できることなのでしょうか。