おはようございます。住職です。
ここ数日、TVでは安倍元首相を銃撃した犯人の供述から、旧統一教会の報道が目立ちます。
犯人の供述を報道から聞く限り、その報道通りであるならば、犯人の恨みの気持ちは理解できます。
しかし、だからといって銃撃で殺人を犯す行動に転じたことは断じて許せません。
そこで、どうして安倍元首相が狙われるの?と思うのですが、すでに報道されている通りなのでしょう。
旧統一教会側の論理だと、別団体であるUPFのイベントに、安倍元首相がビデオメッセージを送った事で
関係性を疑われているのでは??と言われていました。表面上団体が違くても、どちらにしても同じ。
旧統一教会もUPFも安倍元首相も関係していることは確かなのです。
一宗教団体に所属している私としては、日本の首相経験者が宗教団体にビデオメッセージを送るなど普通は
ありません。私の宗派は浄土真宗本願寺派という、現在の日本の宗教団体の中で、特に伝統仏教(昔から伝わ
ている伝統的な仏教)の中で、最大と言われている組織ですが、首相経験者が、宗派の一大イベントにおいて
ビデオメッセージで祝辞をくださるなど、まずありません。
安倍元首相のお通夜とご葬儀の映像が流された時、霊柩車でご婦人がお位牌を抱えておられた場面を見まし
たが、おそらく増上寺で執り行われたところからしても、安倍元首相は浄土宗かもしれませんが、
浄土宗の一大イベントで安倍元首相がビデオメッセージを送られたと、聞いたこともありません。
そこには、おそらく日本流の政教分離の意識が関係しているのだと思います。
ここまで言うと、首相の靖国参拝はどうなるんだ?などのご意見があがることもあると思いますが、それも
問題になりますね。
話を戻して、安倍元首相は、宗教団体にビデオメッセージを送ることの懸念点は当然認識済み。
だからこそ、日本の伝統仏教などの宗教団体には、そんな事をしないのです。
伝統教団側も、そんな事は理解済みなのです。
しかし、当然ながら個人的な部分では、所属宗派に対して、大きなイベントがあれば、何かしらの祝電など
はあるのかもしれません。しかし、今回の報道のように、公に確認できるようなメッセージはあり得ないと
私は思います。これは伝統仏教という宗教団体の一員としての立場から見た時の意見です。
だからこそ、私たち宗教団体側から見れば、元首相の宗教団体に対するビデオメッセージは
「え!? ありなの!? 大丈夫!?」という感覚です。
当然、一般の方からしても、宗教団体の活動で安倍元首相のビデオメッセージが流されれば、
好印象だし、その団体の信頼性もあがるでしょう。つまり、これ以上ない広告塔となり得るのです。
一方で、安倍元首相側だって、そのような懸念がありながら、危ない橋を渡るのですから、メリット
がなければならないでしょう。
私は、内情は知りませんが、素人ながらに思ったことは、もしかしたら、北朝鮮問題へのアプローチ
方法の一つとして、繋がっていた可能性もあり得るのだろうと思いました。もちろん、それだけではない
でしょうが。そういった事を考え合わせれば、安倍元首相もビデオメッセージを送られた以上、
ある程度の覚悟のもと、行っている事なのです。これは間違いありません。
しかし、当然命がけで政治を行っていたでしょうが、まさか、このような結末になるとは。