日記

書斎の片付け

おはようございます。住職です。

今日も安定した良い天気。GWでこの天気は、お出かけ日和ではないでしょうか。

私は今日から、部屋の片づけを始めたいと思います。

西照寺に、新本堂が完成したのが今から約17年前。

私の書斎も、その時の設計図面に入れてもらいました。もちろん、私の希望を言って。

当時、私は29歳から30歳で、結婚をして京都から埼玉のお寺に戻ることになっていたのです。

その頃私は、京都にある龍谷大学の大学院生(博士課程の3年)を終え、オーバードクターとして

1年残っていたのです。一応研究者の卵として、最後に学会発表をしようと残っていたのです。

丁度、学会の発表を終え、その冬に結婚。次年度から埼玉のお寺に戻る予定だったのです。

なので、私の京都の下宿先には、大量の本が(といっても、数百冊程度ですが)。

もちろん全て専門書です。専門書は、かなりお金がかかるのです。さらに悪いことに、仏教を専門にすると

過去の専門書(現在は出版していない)で素晴らしい本が沢山あるのです。それらは、再版しないので

手に入りません。そんな本は、仏教書を専門とする古本屋さんに稀に出現することとなります。

背景には、たぶん本の所有者である研究者が亡くなって、遺族が大量の本を古本屋に売る!とか

お寺を建て替える事となり、お寺に会った大量の本が邪魔になって、古本屋に売る!とか

そんな本は研究者や元研究者の人しか持っていないし、仏教の研究者はお寺の人が多いので、そんな背景が

あって、仏教を専門とする古本屋さんに出回る時があるのです。

当然、古本屋さんのオーナーは、素晴らしい本を知っているので、プレミア値段で販売します。

本当に高いものになると、一冊、十数万円とかになります。 だいたい高くても3万~6万くらいですが。

私は学生時代、本格的に勉強を始めた大学4年生以降、古本を集めました。読む為に。

当然、図書館においてあるし、それをコピーすればいいのですが、どうしても良い本は手元に置いておきた

い。

本を読むのが嫌いな私が、勉強をし始めて、ようやく始めて専門書を買ってみようか!と思った時の事です

指導教授に〇〇を勉強したいのですが、お薦めの本は何かありますか?と聞いたら、先生が教えてくれた本

が『世親の浄土論』という本。

書名だけ聞いて、その他の情報は何も知らないで、当時の大学近くにある仏教専門古書店に始めて行きまし

た。沢山古本が置いてあるので、どこにあるのかわからない。そこで、店主さんに聞いてみました。

すると、置いてありました。3センチ程の厚さの本ですから、大して分厚くない。

後ろに書いてある値段をみたら、3万円。 ・・・私は二度見しました。 え!? 3千円の間違いだろ?

残念ながら、間違いではありませんでした。でも、勉強しようと教授から教えてもらった本だし。

勢いで、大金払って購入。帰ってから本を開いて読んでみるも、内容が全然ちんぷんかんぷん。

そのまま、2年ほど放置してました。だって、読めないんだもん。

その後も勉強し続け、ようやく仏教が理解できてきてから、その本を読むこととなりました。

読んでみると、とても素晴らしい本。3万円の価値あったな!と思う程。

それ以降、私は8年ほど勉強を続けたので、色々な本を買いました。財産です。

ただし、おそらく何百万も使って集めた素晴らしい専門書なのですが、残念ながら古本屋さんに

売ったとしたら二束三文なはずです。全部売っても、もしかしたら十万円代かもしれません。

あくまで財産といっても、自己満足の世界です。私の人生の一部という意味で財産なのです。

だから、今では読まなくなった本も多数ありますが、捨てられません。私が死ぬまで私の書斎に

置いておきます。

という事で、私が埼玉に帰ってくる際、たまたま御本堂を新築するとなったので、私の本を収納できる

書斎を希望したのです。当時は、もっと本が増えても大丈夫なように、書斎の壁面はだいたい本棚に

してもらいました。しかも、奥が深く前後に本が入るようにしてもらいました。

それ以降、17年の時間が過ぎた今、すでに本棚はパンパン。数えたことないけど、1000冊は超えて

いる模様。その他にも、大学院時代にコピーしまくった論文が大量に棚に収納されていて。

さらに、築地で数年間お世話になったことで、多くの資料が積み重なり、整理しないと入りきれないのです

そこに、この度の仏前結婚式の備品を、今年に入ってからは私の書斎にすべてを保管していたのです。

全てきちんと把握しておく必要があったので、誰も触れない私の書斎に置いておきました。

ようやく無事に終わったので、これで私の管理から離れてよくなったわけなのです。

ということで、私の書斎以外のお寺の収納スペースに、備品は移動することにします。

今日は、それを終わりにさせます! よし、始めよう!!!