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西照寺一言預かり⑧

言葉を、未来まで預かるということ

これまで、西照寺一言預かりについて書いてきました。長い文章でなくても、一言だけでも残せること。言えなかった言葉も、なかったことにはならないこと。親に聞いておきたかった一言。子どもや家族に残しておきたい一言。誰に向けた言葉か決まっていなくてもよいこと。そして、言葉を今すぐ誰かに渡さないという選択もあること。一言を残すことについて考えていくと、その先に、別の問題が見えてきます。

「この言葉を、いつまで残しておけばよいのだろう」「いつか誰かに渡したいとしたら、いつ渡せばよいのだろう」「ある時が来るまで、開かないでほしい言葉はどうすればよいのだろう」

言葉を残すということは、場合によっては、その言葉を未来のある時点まで預かることにつながっていきます。

たとえば、親が子どもへ、「あなたが自分の道を決めた時に読んでほしい」と思う言葉があるかもしれません。今伝えるのではなく、自分で何かを決める時になってから読んでほしい。

また、「自分が亡くなった後に、家族へ伝えたい」という言葉もあります。今すぐ伝える必要はない。けれども、未来のある時には知ってほしい。さらに、結婚した時。子どもが生まれた時。ある仕事に就いた時。人生のある節目を迎えた時。そのような出来事が起きた時に、初めて渡したい言葉もあるかもしれません。すると、言葉には、「誰に」だけではなく、「いつ」「どのような時に」扱うのかという問題が出てきます。そして、「その時までは開かないでほしい」という本人の意思もあります。

今読まれれば、家族との関係が変わってしまう。今はまだ知られたくない。ある出来事が起きるまでは、開かないでほしい。そうなると、単に言葉を残しておくだけでは足りません。未来まで、本人の意思に沿って扱う仕組みが必要になります。

もちろん、未来のことを完全に予測することはできません。家族の状況も変わります。本人の考えも変わります。だから大切なのは、未来を当てることではありません。

今の本人が、「何を残したいのか」「どのように扱ってほしいのか」という意思を大切にすることです。

西照寺一言預かりは、本人から実際に現れた短い言葉や文章を、その人自身の言葉として受け取り、大切に扱う、小さな入口です。しかし、その先には、「未来まで残したい」「ある時まで開かないでほしい」「ある時が来たら、この人へ渡してほしい」という希望があります。そこまで来ると、単純な一言預かりだけでは十分ではありません。

そこで西照寺では、その先にある仕組みについても考えています。それが、「未来条件付き保管メッセージ」です。

今は言えない。でも、消えてしまってよいわけではない。今は渡さないけど、未来のある時には届けたい。そのような言葉を、本人の意思に沿って未来まで扱うための仕組みです。

今回で「西照寺一言預かり」の連載は一区切りとなります。noteでは、「言葉を、未来まで預かるということ」という題で、もう少し詳しく書いています。

次の連載では、この「未来条件付き保管メッセージ」について、少しずつご紹介していきたいと思います。

西照寺は、家族に今すぐ渡せない言葉や、未来に届けたい本人の思いを、本人の言葉のまま静かに預かる寺院です。

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