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未来条件付き保管メッセージ⑧

なぜ西照寺が、未来へ言葉を預かるのか

これまで8回にわたって、西照寺が考えている「未来条件付き保管メッセージ」についてご紹介してきました。本人が残した言葉を、未来のある時まで預かる。届ける相手と条件を決めておく。そして、その時が来たら届ける。では、なぜ西照寺が、このような取り組みを行おうとしているのでしょうか。

お寺は、長い時間を扱ってきた場所です

お寺には、長い年月を越えて残されてきたものがあります。過去帳。墓石。位牌。古い文書。家や地域に関する記録。そこには、かつて生きた人たちの存在が残っています。お寺は、人が亡くなった時だけに関わる場所ではなく、長い時間の中で、人と人とのつながりを見てきた場所でもあります。

今と未来の間を預かる

未来条件付き保管メッセージでは、今ここにいる本人から、未来の誰かへ言葉を渡します。その間には、10年、20年、あるいはそれ以上の時間があるかもしれません。その間を、誰かが預かる必要があります。

西照寺では、その「時間」を預かることも、お寺の役割になり得るのではないかと考えています。

墓石だけでは残らないものもある

人が亡くなった後、名前や、戒名・法名、生没年月日などは、墓石などに残ることがあります。しかし、その人が何を考えていたのか。誰に何を伝えたかったのか。どんな声で話していたのか。そうしたことは、墓石だけでは残りません。未来条件付き保管メッセージは、そうしたものの一部を、本人が残した形で未来へ渡す方法です。

すべてを残す必要はありません

だからといって、人生のすべてを記録する必要はありません。毎日の出来事を全部残す必要もありません。本人が、「これは残しておきたい」と思ったものだけでいい。そして、残したくなければ残さなくてもいい。西照寺では、そのくらいの距離感を大切にしたいと考えています。

AIで作れるものが増える時代だからこそ

これからは、AIによって、文章も、音声も、映像も、簡単に作れるものが増えていきます。本人らしい文章。本人に似た声。本人が話しているように見える映像。そうしたものが増えるほど、西照寺では、別のことが大切になると考えています。それは、本人が生きている時に、本人から実際に現れたものを残しておくことです。未来条件付き保管メッセージは、そのための一つの具体的な取り組みです。

これまでの取り組みは、少しずつつながっています

西照寺ではこれまで、「親に聞いておく10のこと」「西照寺オンライン相談」「西照寺一言預かり」そして、「未来条件付き保管メッセージ」と、少しずつ取り組みをご紹介してきました。

それぞれは、一見すると別々のものに見えるかもしれません。しかし、西照寺では、これらをばらばらに考えているわけではありません。その先には、共通する考え方があります。ただ、最初から大きな考え方を説明するのではなく、まずは具体的な取り組みを一つずつ知っていただきたいと考えています。

次は「存在の証」へ

未来条件付き保管メッセージでは、未来へ届ける言葉についてご紹介しました。次にご紹介するのは、「存在の証」という取り組みです。お墓をしまった後、家の由来や、そこに生きた人たちのことまで、一緒に消えてしまう必要はないのではないか。そんなところから始まった取り組みです。

次回からは、西照寺の新たな取り組み、「存在の証」についてご紹介していきます。

西照寺は、家族に今すぐ渡せない言葉や、未来に届けたい本人の思いを、本人の言葉のまま静かに預かる寺院です。

  • 住所:埼玉県東松山市大谷2560-4
  • お問い合わせ:0493-39-1445