「なぜ、火葬で骨を残すの?どんな意味がある?」
現在の火葬炉は火力が強く、焼いてしまおうと思えば、骨も残さずにきれいに灰だけに焼くこともできます。それを一歩手前のところで加減をしてわざわざ骨を残すのです。
この骨を残すことをしなければ、火葬の能率は格段にアップするそうですが、それができないのです。
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▼「手加減」して骨を残す
以前子供が死産したときに、火葬場の職員の方に「なるべく頑張りますが、胎児は骨格が細くて小さい分骨を残すのは難しいので、灰だけになったらごめんなさい。」と言われたことがあります。
結果、つまようじ2本分くらいの大腿骨などちゃんと残っていて、すごいなあと感心したものですが、これは、「骨を残してほしい」というご遺族の要望が、火葬場の人に強くインプットされているからですね?
▼骨を残したい気持ち
この残してほしい気持ちは、しきたりを重んじているから?ただ「皆がやっているから」?いずれも違いそうです。
何か故人のものを残して、いつまでも忘れないでいてあげたいという気持ちでしょう。
(もちろん法的な「埋葬」という行為の位置づけはまた別問題なので、別記事で触れます。)
納骨は故人にはもちろんのこと遺族にとっても大きな意味のある儀式です。 遺族が故人の死を乗り越えるための、一つの重要な節目であり、故人が亡くなったことを受け入れる流れにもなります。
▼ご遺骨との様々なかかわり
遺骨はその後、どんな形をたどるでしょう?「手元供養」という考え方があります。
「骨壺」をお墓やお寺に納骨せず、仏壇にしばらく置かれている方が増えています。お墓の事情であったり、故人様を身近に感じることができるからという場合もあります。
▼少しだけ手元に
また、散骨や樹木葬などをはじめとする自然葬に多いですが、「少しだけ」ご遺骨を手元に残して手元供養とされる方も増えています。
遺骨をミニ骨壺やペンダント型骨壺に納めたり、指輪など小さな遺品を一緒に入れたりしていつくしみます。
思い出を形として残しつつ、いつでも身近に故人のことを感じる。そうしながら悲しみは癒えてゆきます。