しかし、明治期から昭和初期の頃と、現代とを比べてみると、日本の社会状況や国民の価値観など、大きく変化する環境となってきました。
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▼現代のお墓の変容
例えば、少子高齢化によって、家の相続が難しくなってきました。グローバル社会となり、転勤族は定住地が決まらず、場所的制約のあるお墓を所有し維持する難しさを感じる人も現れました。
また、日本経済は「失われた30年」といわれるほど経済成長が滞っており、経済的にも余裕がなくなってきています。さらに、ダイバーシティーと呼ばれるように、多様性が重んじられ、価値観がバラバラになってきています。
これら現代における諸問題に対応する形で、お墓事情も変化を遂げてきました。それが今日みられるお墓の色々な形態なのです。
▼お墓の多様化
例えば、お寺等の管理者が維持管理する永代供養墓、近年都内に多く建つ納骨堂、多くの人が合同で一つ大きなお墓に入る形式の合同墓、自然にかえる願いを表象し樹木の下に遺骨を埋葬する樹木葬、規制に従った場所(海や陸)で粉末にした遺骨をまく散骨など。
その傾向は、お墓の後継者が不要で、維持管理を問わない形式となってきています。