こんにちは 副住です。
今日は昨年末から気になっていた本
『プルーフ・オブ・ヘブン』を紹介します。
筆者はエベン・アレグザンダーさん
アメリカの脳神経外科医で、名門ハーバードメディカルスクールにて准教授を務めてきた方。
その世界では、世界的に有名な方。
筆者は専門的立場より、これまで多くの患者さんから臨死体験の話も聞いてきました。
しかし、それらはすべて脳の作用によるものであると考え、死後の世界を否定してきた方でした。
それがある日突然、筆者は細菌性髄膜炎に感染(感染経路は未だ不明)し、脳死状態に。
7日間、昏睡状態のまま絶望的状態となってしまいます。
結果的に、奇跡の回復を遂げるのですが、脳死で昏睡状態の7日間に体験した内容に
筆者はまちがいない死後の世界を確信します。
その体験記が当書なのです。
私が大変興味深いと思ったことは、筆者は世界的脳科学の専門家であり、
その筆者が自身の病状を専門的知見より、まちがいなく脳死状態であって幻覚などもみれるはずがない中で
幻覚を超えた世界を体感したという事実にあります。
より簡単に言えば、記憶は脳以外にもできる場所がある!という新見解の提示がなされています。
もっと噛み砕けば、脳以外に意識というものがあって、その意識が死後の世界を体感してきたのだと筆者は言っているのです。
(今でも意識は脳がつくりだしているとされています。筆者もこれまではその立場でした。しかし、現在筆者は、意識は脳とは別次元にあるのではないかと考えています)
あちらの世界は、こちらの世界の「ことば」がない世界で、聞くとか、見るとかでもない世界。
自分と他者の境界線もあいまいで、例えば、疑問に思ったことがあるとして、疑問に思ったその瞬間に答えが即時にかえってくる世界なのだとか。
これら(あちらの世界)の内容は、こちらの世界の表現形態では 表現したくてもどう表現していいのか難しいというのです。
驚いたことに、これらは、私達が浄土と呼ぶ世界のあり方と共通する部分が多いのです。
また筆者は あちらの世界を「愛に満ちた世界」と表現しており、安心できる世界であることを述べています。
現代の科学的な観点からは、死後の世界を否定する向きが強いのかもしれませんが、筆者はその観点を反省させられたというのです。
そして、これからの科学は目に見えない 確認できない部分と如何に向き合っていけるかが新分野となっていくと語っています。
その大きなテーマが「意識」であるというのです。
仏教は古来から意識について研究を掘り下げてきています。
例えば唯識などは、筆者の体感したことと近似しています。(例えばアーラヤ識とか)
浄土真宗でも、もっとこれらの分野を研究する余地が残されていると思います。
新しい問題提起に、新年早々興味深いテーマだと思わされました。