日記

諸行無常

こんにちは 住職です。

緊急事態宣言が首都圏の一都三県に明日にも発出されるとの情報から、一気に慌ただしくなってきました。

緊急事態ですから、当然と言えば当然ですね。

すでに、コロナが問題となって一年が過ぎようとしていますから、この一年が非常事態だったような気もし

ます。その為、慣れもありますが、日本国内でも色々なことが大きく変化したように感じています。

何より在宅時間が圧倒的に増えたし、友人含め会食することが無くなったし、仕事は基本がリモートとなっ

たし、公共交通機関に乗らなくなったし。色々と激しく変わりました。

人によっては、私とは状況が少し違う方もおられるでしょうが、「必要最低限の外出しかしない」

「普段とは違う人との会食の機会が減った」などは概ね一致しているのだろうと思います。

こうなると、この分野を主産業としている関連業界が大変な影響を受けます。

代表的なものは、公共交通機関、旅行関係業界、飲食関連業界。そしてイベント関連業界。

確かに、連日報じられている分野が大きな影響を被っていることが頷けます。

一方で、非接触を主産業としている分野は当然伸びています。ネット会議を可能にするZOOMや企業の

業務効率化をソフトウェアで実現するサイボウズなどのWEB業界、ネット物品購入のAMAZONなどを通じた

配達業界、在宅時間を快適に過ごせるような商品を提供する業界は成長しているのでしょう。

こう考えると、コロナによって一律にマイナスの影響を受けているわけではなく、コロナによる影響との

相性によって良くなる業界と悪くなる業界に分かれているようです。

つまり、新型コロナウイルスは、これまでの私達の普通と思われた生活状況の常識を変えてしまう感染症な

わけなのです。だから、これまで当然だと思われていた常識のバランスが崩れてしまったと理解することが

大事なのかもしれません。

たまたま結果的に、バランスが崩れた時に大打撃を受けてしまうこととなった業態が、大変な影響を受ける

こととなってしまったのだと思います。そう考えると、大打撃を受ける業態からすれば、こんなもの災害

と同じようなものですよね。突然やってきて、滅茶苦茶にしていくんだから。

あとは、この影響がいつまで続くのかが大問題ですね。今生きている人のほぼ全てが経験した事のない世界

的な感染症です。私達の希望からすれば、コロナ前に早く戻ってほしい!と思ってしまいます。

ワクチンに大きな期待がかけられます。

ただ、私個人の今の感覚としては、コロナ前のように戻れるとしても、数年かかるのではないかと思ってし

まいます。むしろ、コロナで変わった分野がコロナ前に戻さないように力を発揮するはずです。

この力との凌ぎ合いが始まるでしょうから、すんなりとコロナ前に戻ることはないと思うのです。

だからこそ、今が重要な気がしてます。ここで、どのようにコロナ後の世界を描けるのか?

今の現況を自分の都合よく見ないで捉えていく力が必須だと思います。

難しいのは、人間自分の都合の良い方に考えたくなる!ということです。当然ですね。

しかし、仏教では物事をありのままにみる!ことがとても大事だと言われます。

自分の色眼鏡で物事をみてはいけない!というのです。これが至難の業なのですが。

(因みに、浄土真宗では、自分の色眼鏡でしか物事がみれない!と身に染みて感じ、自分の情けなさを知る!

のですが。自分が間違っていることを知るのですから、一方で自分の思い通りにならない場面がきても、嫌

ですが納得させられていくのです。)

もちろん、仏教はさとりに至る為の方法として、物事をありのままみろ!智慧の眼を得ることが大事だ!と

言っているので、経済的な話をしているわけではないのですが、しかし、私的には仏教からヒントを

もらうことができるなぁとは思いました。

今の現状を自分の色眼鏡という見方を極力入れないでみることが大事かもしれません。

その上で、現状にどうすれば対応できるのか?を検討し、次の対策へと結び付けていくことも、今は大事な

のだろうと思うのです。

やはり変化に対応出来たものだけが残っていく。

進化論と同じですね。良いのか悪いのかわかりませんが、新型コロナウイルスという大きな変化がきたので

す。それを受け入れ、今度は私達が変化をしなければならない番だと思います。

変化が収まって元通りになることを待つのではなく、変化に応じてこちらも変化を遂げていく。

それこそ仏教の教えの根本原理である諸行無常の精神だと思います。