おはようございます。住職です。
日本でバブル経済が崩壊後、「失われた30年」と言われるように、日本は経済成長を遂げられず、弱体化し
ています。
格差が広がり、安い商品しか買わない日本人の気質も手伝って、物を売るにも大変です。
いわゆるデフレですね。
日本人はなぜか安いものを買おうとするので、物価も上がらず、働く人の給与も増えません。
しかし、消費税はあがり、世界の他国は経済成長をしている為、日本の輸入原材料やコストが上がります。
なので、日本はますます苦しい状況となっています。
企業も、仕入れコストが上がれば、仕方なく値上げせざるを得ませんが、物が値上がりすると、国民のお財
布の紐はかたくなります。まさにデフレスパイラルですね。
こうなってくると、当然お寺も影響を受けます。
これまで営まれてきたご法事が減少するようになるし、ご葬儀も簡略化します。
高価な墓石のお墓は売れなくなり、逆に値段が安い永代供養墓や樹木葬などが求められるようになってきま
した。
このような状況によって、ようやくお寺の運営問題が深刻化、表面化してきたのが、10年ほど前からだと
思われます。
換言すれば、これまでお寺という業界では、仮に運営問題が厳しくても、公の場でお金に関する話題を嫌う
業界だった(私が感じるのは、多くのお坊さんは真面目で、お金の為にお寺をやってるわけではない!教え
が大事なんだ!と主張するお坊さんは多いです。本当に良いお坊さんが多い。でも、お金がないとお寺の
運営はできなくなるので、お坊さんが敢えてお金を見ないようにしようとする姿勢に、私は疑問を感じてま
した)のですが、今や運営問題を公然と口にせざるを得ない苦しい状況となってきた。
この変化は、この10年くらいで顕著になってきました。ようやく現実を直視しないといけなくなったのだろ
うと思います。いわゆる追い込まれてしまったのです。
また、コロナが登場してきたことで、お寺の衰退化は早まっていると思われます。
急激に変化した日本の経済的問題が、当然ながらお寺にも飛び火してきて、お寺は変化のスピードについて
いけないままいるのです。